【SeeStar S50】レモン彗星(C/2025 A6)を光害地から簡単撮影

スマート望遠鏡「SeeStar S50」でレモン彗星を光害地から簡単に撮影する方法について解説します。

レモン彗星(C/2025 A6)とは?

レモン彗星(C/2025 A6)は、2025年1月にアメリカアリゾナ州にあるレモン山天文台で発見された長周期彗星です。レモン山天文台で発見されたことから「レモン彗星」という名前がついています。地球への最接近は2025年10月21日、10月下旬〜11月上旬が見頃です。前回太陽の近くに来たのは約1300年前で、次回の接近は約1100年後とされています。観察できる時間帯は、夕方(日没後30分〜1時間程度)、位置は西〜北西の空です。

天体の基本情報

項目 内容
名称 レモン彗星(C/2025 A6)
分類 長周期彗星(公転周期 約1,154年)
発見 2025年1月3日(米・レモン山天文台)
近日点通過(太陽に最も近づく) 2025年11月8日(太陽から約0.53天文単位)
地球最接近 2025年10月21日(地球から約0.60天文単位)

通常の天体望遠鏡や一眼レフでは撮影するのは大変ですが、スマート望遠鏡「SeeStar S50」を使えば簡単に撮影することができます。

スマート望遠鏡「SeeStar S50」とは?

スマート望遠鏡とは、天体の電視観望に必要な機器(望遠鏡本体、電動フォーカサー、天体カメラ、制御用コンピューター、経緯台、ヒーター、光害カットフィルターなど)が1つにまとまった天体観測装置です。最大の特徴は、複雑な機材の組み合わせや設定が不要で、本体さえ購入すれば、手持ちのスマートフォンからすぐに天体撮影が始められる点にあります。

その中でも注目を集めたのが、2023年に登場した「Seestar S50」というスマート望遠鏡です。これは、天体カメラやASIAIRの開発で知られるZWO社が発売したスマート望遠鏡で、従来のスマート望遠鏡が数十万円以上と高価だった中、約6万円という驚きの価格で登場しました(現在は値上げで約85,000円)。

SeeStar S50の主な特徴をまとめると以下のとおり。

① 複雑な機材の準備や知識不要。庭に置いてスマホアプリで星を指定するだけで撮影可能
② 4K対応にバージョンアップされ、驚くほど美しい画像が得られる
③ 定期的なアップデートで機能が大幅に強化
(AIノイズ除去、スケジュール撮影、モザイク撮影、4K相当撮影など)

「SeeStar S50」の詳細については、以下ページや解説動画集をご参照ください。

【SeeStar S50超入門】使い方や作例など解説
スマート望遠鏡「SeeStar S50」の使い方や作例について初心者向けに解説します。

SeeStar S50での撮影方法

スマート望遠鏡「SeeStar S50」で撮影する方法は以下のとおりです。(かなり簡単です)

① SeeStar S50とスマートフォンをWi-Fi接続し、アプリのトップ画面から「星雲・星団」 → 「彗星」をタップします。

② 「C/2025 A6(Lemmon)」の欄にある「Go To」をタップします。

③ 自動導入が完了したら、自動的に「画像補正の準備」 → 「オートフォーカス」 → 「ライブスタック撮影」が開始されます。撮影を数十秒~数分くらい行ったら撮影を停止させます。

動画で見る

画像処理(AIノイズ除去など)

撮影した天体写真をSeeStarアプリで画像処理することができます。やり方は以下のとおりです。

① SeeStarアプリトップ画面から「Myアルバム」→「SeeStar S50」 → 「該当の天体名」 → 「編集したい写真」を選択します。

② 右上の編集アイコンをタップし、数十秒くらい待つと背景ノイズが除去され明るさも補正された画像が表示されます。

③ 「明るさ」「コントラスト」「彩度」「画像サイズ」を調整し、右上の「⇑」をタップします。

④ 「ダウンロード」をタップすると、スマートフォン内部に画像処理後の天体写真が保存されます。

撮影結果(2025年10月24日)

悪天候が続いていたため、地球最接近(2025年10月21日)のときは撮影できませんでした。2025年10月24日も曇りでしたが、意地で一瞬現れた雲間に「レモン彗星(C/2025 A6)」を撮影しました。

光害地の曇り気味の空で、たった10秒のライブスタック撮影でも尾がはっきり見えるくらい明るかったです。

画像が表示されない場合はこちらをクリックしてInstagramで見る

ライブスタックの時間:10秒
露光時間:10秒

一瞬の雲間で、10秒間取るのが限界でした。

撮影結果(2025年10月29日)

やっと晴天になったので、「レモン彗星(C/2025 A6)」の再チャレンジ!光害地でピークは過ぎましたが、5分のライブスタック撮影で引いている尾がよく見えました!

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■撮影条件
ライブスタックの時間:5分
露光時間:10秒
明るさ:-100(0だとライブスタック撮影が失敗しました)

露光時間を20秒、30秒と長くすると明るさを-100にしてもライブスタック撮影が失敗しました。

なお、「レモン彗星(C/2025 A6)」と同時期に「スワン彗星(C/2025 R2)」も観察できました。
こちらは日没後、南西の低空にしばらく現れるため、南向きのベランダからも観測しやすいです。(詳細は以下ページをご参照ください)

【SeeStar S50】スワン彗星(C/2025 R2)を光害地から簡単に撮影する方法
スマート望遠鏡「SeeStar S50」でスワン彗星(C/2025 R2)を光害地から簡単に撮影する方法について解説します。

関連コンテンツ

SeeStar S50の使い方や作例について、以下ページにまとめています。

【SeeStar S50超入門】使い方や作例など解説
スマート望遠鏡「SeeStar S50」の使い方や作例について初心者向けに解説します。

また、SeeStar S50の解説動画を以下の再生リストにまとめています。

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