【LUMIX DC-TZ99】最初に使う時に知っておきたい基本操作

望遠コンデジ「LUMIX DC-TZ99」を最初に使う時に知っておきたい基本操作を解説します。

「LUMIX DC-TZ99」とは

「LUMIX DC-TZ99」は、光学30倍ズームを搭載したパナソニックのコンパクトデジタルカメラです。ハイエンドスマホや一眼レフと比べれば、暗所性能やボケ表現、動画撮影の制限など、画質や細かい機能で劣る部分は多いです。しかし、デジタルカメラの値上げが激しい中、6万円台で新品を入手できて「ポケットに入るサイズで光学30倍ズーム(720mm)を搭載」という点において、非常に価値のあるデジタルカメラです。


※上写真は購入した白色バージョンの「LUMIX DC-TZ99」です。

今回は、「LUMIX DC-TZ99」を初めて使う人向けに、知っておきたい基本操作について解説します。(以下動画でも解説していますので、併せてご活用ください)

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本ページの内容は、以下動画でも解説しています。

各部名称

基本操作を解説する前に、カメラ本体の各部名称を整理しておきます。

解説中に名称がわからなければ、こちらの画像を都度確認してください。

SDカードの入れ方

「LUMIX DC-TZ99」は内蔵メモリを搭載していません。そのため、撮影データを保存するには、SDカード(SD、SDHC、SDXC対応)を別途購入し、カメラ本体に入れる必要があります。

① バッテリーとSDカードのスロットは、カメラ底面のフタの中にあります。

② 「OPEN→LOCK」の表示に沿ってスライドすると、フタが開きます。

③ SDカードの端子(金色の部分)が下向きになるように、カチッと音がするまで押し込みます。
(無理に押し込まないよう注意しましょう)

④ SDカードを入れたら、フタをしっかり閉じて、「LOCK→OPEN」になるようスライドしてロックすれば準備完了です。

・SDカードは「SDHC」または「SDXC」タイプ、Class10以上がおすすめ。動画撮影にも対応できます。
・高画質写真や4K動画は容量を多く使います。32GB以上のカードが安心です。
・電源が入ったまま抜くと、データ破損の原因になります。抜き差しは電源OFFの状態で行いましょう。

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SDカードの初期化

初めて使うSDカードや、他の機器で使っていたカードは、カメラで「フォーマット(初期化)」するのが安心です。

① カメラ上部の電源ボタンを押すと、レンズがせり出して、液晶画面がONになります。カメラ背面の「MENU/SET」ボタンを押して設定画面を開きます。

② 「セットアップ」メニューを選択します。(スパナ🔧のアイコンが目印)

③ 「カードの初期化(フォーマット)」を選んで実行すると、SDカード内のデータがすべて消去され、カメラ用に最適化されます。

・フォーマットすると保存されていた写真や動画はすべて消えます。必要なデータは事前にバックアップしておきましょう。
・エラー防止や動作安定のため、月に1回程度のフォーマットが理想です。
・カードエラーが出たら、フォーマットで解消することがあります。それでもダメなら別のカードで試してみましょう。

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簡単な写真撮影(iAモード)

LUMIX DC-TZ99の「iA(インテリジェントオートモード)」は、カメラが自動でシーンを判別し、最適な設定をしてくれる初心者向けのモードです。モードダイヤルを「iA」に合わせるだけで、複雑な操作なしに綺麗な写真が撮れます。

① カメラ上部の電源ボタンを押すと、レンズがせり出して、液晶画面がONになり、撮影準備が始まります。

② 撮影モードダイヤル(カメラ上部の円形の部分)をカチッと回して「iA」に合わせます。

③ シャッターボタンの周囲にある「ズームレバー」を左右に動かすことで、1440mm(光学60倍相当)までズーム可能です。ただし、本来の望遠性能は720mm(光学30倍相当)なので、720mm以内で撮影するのがおすすめです。

④ シャッターボタンを半押しして、ピント合わせをします。「ピピッ」と音が鳴ったらピントOKです。

⑤ シャッターボタンを全押しで撮影します。「パシャッ」という音が鳴ったらシャッターが切れて写真が保存されます。

「iA(インテリジェントオート)」は初心者に最適。風景・人物・夜景など、シーンに応じてカメラが自動で設定を調整してくれます。迷ったらまずはこれ!

補足

今回紹介したiAモード以外に、以下の撮影モードがあります。
(撮影モードダイヤルで切り替え可能)

モード 特徴
P(プログラム) カメラが露出を自動調整。初心者向け。
A(絞り優先) 背景のボケ具合を調整したい時に。
S(シャッター優先) 動きの速い被写体を止めたい時に。
M(マニュアル) すべての設定を自分で調整。上級者向け。
カメラの使い方に慣れてきて他の撮影モードも試してみたい場合、「P」から始めて、「A」や「S」に挑戦するのがおすすめです。

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簡単な動画撮影(iAモード)

動画を撮影する場合、撮影画面を開いて「録画ボタン」を押すだけです。録画中は、撮影画面が赤い枠で囲われます。録画を終了する場合はもう一度「録画ボタン」を押します。

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画面をタッチしてピントを合わせる

「iA(インテリジェントオート)」モードでは、画面をタッチしてピント位置を指定できます。
(タッチした箇所に対してAFを掛けてくれます)

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撮影した写真の確認と削除

① 「再生ボタン▶」を押すと、撮影した写真を確認できます。

② 写真の確認画面を表示しているときに、「カーソルボタン」の左右を押すことで、前後の写真に切り替えできます。

③ 「消去ボタン」もしくは画面中の「ゴミ箱アイコン」を押すと、削除メニューが表示され、写真を削除できます。

④ 「再生ボタン▶」を再び押すと、撮影画面に戻ります。

液晶モニターで確認したときはピントが合っているように見えても、後でPCやスマホで写真を見るとピントが合っていないことが結構あります。その場合、写真の確認画面を表示しているときに、ズームレバーで拡大縮小をすることができます。また、十字キーで拡大表示エリアを動かすことができます。写真を拡大して確認することで、撮影直後にピントが合っていたか確認でき、合っていなければ撮り直しできます。

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レンズ鏡筒を出さずに電源を入れる

「LUMIX DC-TZ99」の電源ボタンを押すと、レンズ鏡筒も自動で出てきます。

しかし、電源を切った状態で「再生ボタン」を長押しすると、レンズ鏡筒を出さずに液晶モニタに最後に撮影した写真が表示されます。(活用ガイドp.132)

そこから設定画面に遷移すれば、レンズ鏡筒を出さずに設定を弄ることができます。

むやみにレンズ鏡筒を出したり引っ込めたりすると寿命が縮むため、写真を確認したり、設定を弄るだけのときは上記のやり方で起動するのがおすすめです。
【DC-TZ99】レンズ鏡筒を出さずに電源を入れる方法
DC-TZ99でレンズ鏡筒を出さずに電源を入れる方法を解説します。

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ズームバック機能

「LUMIX DC-TZ99」の「ズームバック機能」は、被写体がフレームから外れて見失ったときに役立つ補助機能です。望遠撮影時に被写体を見失ったとき、「ズームバックボタン」を押すと一時的にズームが広角側(光学1倍)に戻り、周囲の状況を確認できます。被写体を再び中央に捉えたらボタンを離すと、元の望遠倍率に戻ります。

このように、いちいち「ズームレバー」で低倍率まで戻す必要がないため、三脚を使わない手持ちでの望遠撮影が楽になります。 動きの速い被写体を撮るときは、あらかじめ「ズームバックボタン」の位置を指で確認しておくと安心です。

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連写機能

連写機能は、「シャッターボタン」を押している間、連続して写真撮影ができる機能です。花火や野鳥など、ベストショットの予測が難しい被写体を撮影する場合、連写することで「後から複数枚の写真中からベストショットだけを選んで残す」ことができます。

① 撮影画面を開き、「カーソルボタン」の↓を押します。

② 「ドライブモード」を選択します。

③ 「連写高速」を選択します。

④ この状態で「シャッターボタン」を押し続けると、連続して写真が撮影されます。

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サイレントモード

サイレントモードは、以下の操作を一括で行い、静かな環境で撮影するのに役立ちます。

  • [フラッシュモード] → 発光禁止
  • [シャッター方式] → 電子シャッター
  • [AF 補助光] → OFF
  • [電子音音量] → OFF
  • [シャッター音音量] → OFF

① 「MENU/SET」 → 「📷(カメラアイコン)」 を選択します。

② 「サイレントモード」 → 「ON」を選択します。

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セルフタイマー

セルフタイマーとは、「シャッターボタンを押してから、一定時間が経過した後に自動的に撮影する」機能です。
自撮りや集合写真の撮影、手ブレを防止して夜景を撮る場合などに役に立ちます。

① 「カーソルボタン」の↓を押します。

② 「⏰10」を選択します。

③ 撮影画面に戻って「シャッターボタン」を押すとカウントダウンが始まり、10秒経過したら写真が撮影されます。
なお、「⏰10」を選択後、「詳細設定」を選択すれば、「⏰2」(2秒経過後に撮影)や「10秒/3枚」に変更できます

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フラッシュの設定

iAモードの場合、初期設定でフラッシュの発光は自動になっています。しかし、フラッシュが邪魔になる場面で発光することがあります。そのような場合、フラッシュの発光モードを変更します。

発光モードの変更

① 撮影画面を表示しているときに、「カーソルボタン」の「右(→)」を押します。

② 以下のモードが表示されるので、好きなものを選択します。

モード名 アイコン 発光タイミング 主な用途・特徴 注意点
自動発光 ⚡A 暗いときのみ自動で発光 明るさに応じて自動判断。初心者向け 明るい場所では発光しない
発光禁止 ⚡🚫(斜線付き) 常に発光しない 美術館・夜景・駅構内などフラッシュ不要・禁止な場面 暗い場所では手ブレやノイズに注意

※iAモードで使える発光モードは上記2パターンのみで、発光量は調整できません。

③ 「決定ボタン(中央)」を押して設定完了です。

自動発光は初心者におすすめですが、思わぬタイミングで光ることもあるため、注意が必要です。(フラッシュが禁止されている場所では使用しないようにしましょう)

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180度チルト式モニター

「LUMIX DC-TZ99」の液晶モニターは180度動かすことができるため、自撮り(セルフィー)、グループ撮影、ローアングル&ハイアングル撮影など、多彩なアングル撮影が楽になります。
以下写真は、植物をローアングルで撮影している様子です。地面すれすれの花や子ども、ペットなどをしゃがまず立ったままローアングル撮影できるため、足腰の負担が軽いです。


このモニターには、以下の利点があります。

また、液晶モニターを前方に向ければ、自撮り撮影時に顔の位置や背景などの構図を確認しながら撮影できます。Vlogに便利です。

近くのものを撮影すると、シャッターボタンの押すときの振動(ブレ)の影響を受けやすいです。「タッチシャッター」を活用しましょう。

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ガイドラインの表示

ガイドラインは、「液晶モニターの縦横に引かれるライン(線)」です。構図を整えたり、水平を確認したりすることができるため、風景・建築・人物撮影で構図の安定感を高めることができます。

① 撮影画面から「MENU/SET」ボタン → 「撮影設定(スパナーのアイコン)」 → 「モニター表示」 → 「ガイドライン表示」を選択します。

② ガイドラインの種類を選択します。(「三分割グリッド」など)

③ 液晶画面に選択したガイドラインが表示されます。

グリッドを「三分割」に設定すると、画面が縦横3分割されます。被写体を交点や線上に配置することで、自然で安定感のある写真になります。

・風景写真では水平線を下の横線に合わせ、空を広く見せる構図にしたりします
・建物や地平線を撮る際、グリッドを基準に水平・垂直を確認できます。特に夜景や建築物撮影では、傾き防止に効果的です。
・人物撮影では、目の高さをグリッド線に合わせると自然な印象になります。
・動きのある被写体(電車やスポーツ)では、進行方向に余白を残す構図を意識しやすいです。

ガイドラインを使うことで「どこに被写体を置くと印象的か」を試しやすいです。まず三分割法から色々な構図に挑戦し、慣れてきたら意図的に外して個性的な構図を作るのもおすすめです。

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写真のサイズを変更

撮影する写真サイズを変更する方法は以下のとおりです。

① 撮影画面から「MENU/SET」ボタン → 「📷(カメラアイコン)」 を選択します。

② 「記録画素数」の項目で好きなサイズを選択します。
※L(最大サイズ)、M、Sなど

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動画サイズを変更

撮影する動画サイズを変更する方法は以下のとおりです。

① 撮影画面から「MENU/SET」ボタン → 「🎥(ビデオカメラのアイコン)」 を選択します。

②「画質設定」の項目で好きなサイズ・FPSを選択。
例:4K(30p)、FHD(60p)、HD(30p)など。

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スマホやPCに写真を転送

「LUMIX DC-TZ99」には、Wi-Fi接続でスマホやPCに写真データを転送する機能があります。一見便利なように思えますが、以下の欠点があるため使い勝手が良いとは言い難いです。

  • 転送速度が遅く、複数の写真や動画を一括で転送すると時間が掛かってしまう
  • Wi-Fi接続なので、「LUMIX DC-TZ99」のバッテリー消費が激しい
  • スマホ側での操作が多く、手間が掛かる(専用アプリを起動して設定したり、Wi-Fi接続に切り替えが必要)

そのため、複数の写真や動画を一括で転送する際、以下のような小型の「SDカードリーダー」を使って直接転送するのがおすすめです。


※上写真は、「LUMIX DC-TZ99」から取り出したSDカードを、「SDカードリーダー」経由でスマートフォンに接続している様子

持ち運びも楽で、Wi-Fi接続より手間は掛かりません。また、USB Type CとType Aの両方に対応しているため、汎用性も高いです。

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