【天文宇宙検定2級】「天文学」分野の対策

天文宇宙検定2級で出題される「天文学」分野の対策をまとめました。

【1】ベッセル

項目 概要
年周光行差の発見 1727年ジェームズ・ブラッドリーとサミュエル・モリノーが発見。
ケレスの発見 1801年にジュゼッペ・ピアッチにより発見
海王星の発見 1846年にユルバン・ルヴェリエが計算によってその位置を予測し、ルヴェリエの依頼を受けたヨハン・ゴットフリート・ガレが観測して発見。
年周視差の発見 1838年にフリードリッヒ・ヴィルヘルム・ベッセルがはくちょう座61番星の見かけの位置が0.3秒角変化することを測定することで、初めて星の年周視差を発見した。これにより、地動説が正しいことが確認された。
ビックバン(大爆発)の命名 1949年にBBCラジオでフレッド・ホイルが膨張宇宙論に対立する宇宙論として定常宇宙論を提唱しており、膨張宇宙論を揶揄してビッグバンと呼んだものを、膨張宇宙論の提唱者ガモフ自身が気に入って使い始めた。

【2】系外惑星

項目 概要
レッドエッジ 緑の植物が多数生息している状況。波長680 nm~750 nmにかけての赤色スペクトルが緑の植物によって吸収され、反射率が急激に減少するため、そのような惑星には緑の植物が多数生息していることを示していると考えられている。

【3】技術用語

項目 概要
原始星 ①主に赤外線で明るく輝いている②収縮と周りのガスの降着による重力エネルギーで輝いている③太陽よりも表面温度は低い
宇宙の晴れ上がり 宇宙誕生から約38万年後に、宇宙の温度が陽子と電子が結合して水素原子が生まれるまで低下し、光子が電子に妨げられず長距離を進むことができるようになった現象のこと。
HR図 縦軸が星の光度(もしくは絶対等級)、横軸は表面温度(もしくはスペクトル型)の図。ヘルツシュプルングラッセルの頭文字からHR図という。HR図を使うと、星団の内部構造(星団の距離、星団中の星の数と質量)や進化段階といった星の性質がわかり、主系列星(左上から右下に伸びる)、赤色巨星(主系列聖星の右上)、白色矮星(主系列星の左下)の3つのグループに星を大別できる。
ハッブル‐ルメートルの法則 空間が膨張するため、銀河間の距離が時間とともに大きくなることを表す法則。よくある説明として「ある程度膨らませた風船の表面に銀河に見立てた小さなシールを貼り付け、さらに風船を膨らませる」がある。
ケプラーの第3法則 質量がm1とm2の恒星が、連星間距離a[au]、公転周期 P[年]で円運動している。質量を太陽の質量を1とする単位で測るとき、a_3/P_2=m_1+m_2が成立する。
惑星の軌道長半径 例題あり。
ハッブルの音叉型分類 レンズ状銀河はS0、渦巻銀河はSという記号があてられる。さらに銀河のバルジが棒構造をもたないものはA、バルジが棒状であればBという記号が加わる。さらにバルジが小さくなるにつれ、a、b、cと添え字を付けて分類される。楕円銀河にはEという記号があてられ、真円の0から最も扁平な7までの数字が添えられる。
バイオマーカー 生物が特徴的に作り出す物質で、遠方からでも大気などにそれらが認められれば、その天体に生物が存在する証となる。地球上の酸素やオゾンも初期の地球にはなく、生物による光合成の廃棄物から存在しているもため、バイオマーカーといえる。
絶対温度 摂氏で表された温度に273.15を加えたものである。室温が17℃とすると、絶対温度で表すと約290Kになる。
1天文単位 地球から太陽までの距離。1.5 \times 10^{11}m。地球の直径の約1万倍
1光年 9.5×10^{15}m(1天文単位の約10万倍)
ハビタブルゾーン 親星周辺で惑星が液体の水をもてる領域。ケプラー62f、ケプラー22bなどハビタブルゾーンに位置する系外惑星が発見されている。ハビタブルゾーンの親星からの距離は親星の質量によって変化し、質量が小さいほど内側に近づく。
ブランク長さ 10^-{35}m。
ブランク時間 10^{-44}秒。ブランク長さ÷時間=光速 となる。
メトンによる暦 1太陽年を12カ月とし、19太陽年間に12ヵ月の年を12回、13か月の閏年を7回置く
ヒッパルコスによる暦 1太陽年を12カ月とし、1304年間に112回の閏月を置く
グレゴリオ暦 1太陽年を12カ月とし、4年間に1回、閏日を設け、100で割り切れる年は平年とし、400で割り切れる年は閏年とする。
ユリウス暦 1太陽年を12カ月とし、4年間に1回、閏日を設ける。閏月は使わない。現行の暦の原点。
トランジット法 惑星が恒星の前面を横切ることで恒星の一部が隠され、それによる減光を捉えることで惑星を検出する方法。星の明るさを精密に測定することが重要(光のドップラー効果は関係ない)。
惑星現象 地球上から観望した諸惑星の天球上の位置、動きに関連する現象。 内惑星(軌道が地球軌道の内側の水星、金星)と外惑星(火星、木星、土星、天王星、海王星)とでは惑星現象が異なる。

【4】日本の天文学の歴史

人物 概要
荻生徂徠 天岩戸伝説が、実際に起きた皆既日食に基づくと最初に提唱。
藤原定家 明月記で過去に出現した客星を記した書状を綴じ込んだ
橘南谿 日本初の望遠鏡を使った観望会を開催
渋川春海 中国の暦に独自の改良を加え初の日本の暦を編纂
土御門家 「圭表」という、暦の正確さをあげるために太陽の南中高度を測定していた装置ピンホールを利用し、角度で1分までの精密な観測を行い、京都で暦を作成していた。
海部宣男 、1974年に海部宣男らが東京天文台(現国立天文台)の6mの電波望遠鏡を用いて、アミノ酸の前段階物質であるメチルアミンの星間分子を発見した、。星間空間にアミノ酸はまだ発見されていない。
射場保昭 『明月記』の客星の記載を欧米の天文学者に紹介した神戸の貿易商でアマチュア天文家。
陰陽寮 朝廷が律令制により、中務省の下に天文や暦、時刻を所管する陰陽寮を設置した。職掌として陰陽博士、天文博士、漏刻博士、暦博士が配置された。
用語 概要
干支 十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)、十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)の組合せで決まり、2022年は「壬寅」。
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