DWARFLAB から口径90mmの新モデル「DRACO」が登場する件について

DWARFLAB から突如された口径90mmの新型スマート望遠鏡DRACOについて詳しく解説します。

DWARFLAB の新モデル「DRACO」について

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DWARFLA社の公開仕様や中国特許情報、代理店情報に基づく新モデル「DRACO」の仕様は以下の通りです。

項目 公式公表仕様 推定・特許情報 一次情報の出所 従来の小型機(DWARF 3等)との違い
有効口径 90 mm 90 mm DWARFLAB公式ティザー 35 mm前後から大幅に拡大
焦点距離・F値 未発表 339.92 mm / F3.78 特許情報(CN121679866A – Optical system and optical lens – Google Patents より明るく深宇宙天体に特化
光学構成 未発表 補正カセグレン系 特許情報(CN121679866A – Optical system and optical lens – Google Patents 前玉群+主鏡+後玉補正レンズ
センサー冷却 TECモジュール(ペルチェ素子) 温度制御ファン・ヒートシンク併用 DWARFLAB公式ティザー 従来の非冷却から本格冷却へ移行
防曇機構 排熱再利用レンズ防曇 一体型サーマルループ設計 DWARFLAB公式ティザー 外付けヒーターの準備と配線が不要
視野補正 回転式CMOS 経緯台構造+内部ローテーター DWARFLAB公式ティザー設](https://h5.dwarflab.com/draco2026/) 赤道儀ウェッジなしで長時間露光に対応
ガイド機能 内蔵ガイドスコープ リアルタイムガイド補正 DWARFLAB公式ティザー オートガイダーによる追尾誤差修正
単一露光時間 最長300秒 露光設定の自由度向上 DWARFLAB公式ティザー 従来の短時間露光から大幅延長
動作保証温度 -20°C ~ 45°C 寒冷地・夏季運用に対応 DWARFLAB公式ティザー 幅広い気候条件下での撮影を保証
市場想定価格 未発表 約25万 ~ 30万円弱(約8,000元想定) 市場流通情報・各所推測 エントリー機から本格ミドル機へ移行

国内代理店のHP: DWARFLAB DRACO 最新情報・星見屋特設ページ

口径90mmの集光力と本体サイズの増加

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スマート望遠鏡の多くは持ち運びやすさを優先して、口径が30mmから50mm前後に設計されてきました。DRACOはそこから一歩踏み込み、口径90mmを採用しています。

天体観測において、レンズの口径は集める光の量を決める最も基本的な数値です。DWARF 3の口径35mmと比べると、口径90mmの受光面積は約6.6倍になります。

集光力が増えると、これまで背景のざらつきに埋もれてしまっていた淡い星雲の広がりや、銀河の腕の構造が短い露光時間でも浮き上がってきます。私自身、従来の小型機で何度撮影しても白いモヤにしか見えなかった天体が、どこまで輪郭を現してくれるのかという点に大きな魅力を感じています。

ただし、口径が大きくなるということは、本体のサイズや重量も相応に増えることを意味します。ポケットや小さなサコッシュに入れて散歩がてら持ち出すような手軽さはなくなり、しっかりとしたカメラバッグや専用ケースに入れて運ぶ運用になります。

ベランダに設置する場合でも、手すりや周囲の障害物を避けるスペースが必要になります。毎日気軽に出し入れするというよりは、今夜は晴れて天体条件が良いからじっくり撮影しよう、という日のための機材という位置付けに変わってきますね。

回転式CMOSと内蔵ガイド

DRACOの構造で特に注目されるのが、CMOSセンサー自体を機械的に回転させて視野の回転を補正する仕組みです。

一般的な経緯台で長時間撮影を行うと、星の日周運動によって写真の四隅が回転して流れてしまいます。DRACOはこの現象を以下の手順で処理しています。

  1. 経緯台のモーターで目的の天体を自動で視界の中央に導入します。
  2. 内蔵されたガイドスコープが星のわずかなズレを検知し、追尾誤差をリアルタイムで修正します。
  3. 星の動きに合わせてソフトウェアが計算を行い、内部のCMOSセンサーを逆方向に少しずつ回転させます。
  4. 視野の回転を機械側で打ち消しながら、1フレームあたり最長300秒の露出を続けます。

センサーを回転できる構造は、天体の形に合わせた構図決め(フレーミング)にも役立ちます。長方形のセンサーに対して、大きく広がるアンドロメダ銀河を斜めの対角線上に収めたいときなど、本体を傾け直すことなくアプリ上で構図を整えられます。

ペルチェ冷却と排熱再利用による防曇システム

夏の夜間に発生する熱ノイズと、秋冬の夜露によるレンズの結露は、天体撮影で避けて通れない悩みです。DRACOはこの2つの問題をひとつの空気循環で解決する工夫を取り入れているようです。

CMOSセンサーの背面にペルチェ素子(TECモジュール)を取り付け、撮影中の熱を逃がしてセンサーを冷たい状態に保ちます。これにより、長時間の露光でも画面が砂嵐のように荒れる暗電流ノイズを抑えられます。

さらに、ペルチェ素子が熱を逃がす際に生じる排熱を内部の空気循環で鏡筒前方へ運び、対物レンズを温める曇り止めとして活用しています。

代表的な競合モデルとのスペック比較

現在手に入る代表的なスマート望遠鏡とDRACOの特徴を一覧で比較しました。

機種名 口径 焦点距離 センサー冷却 視野回転補正 実売・想定価格 主な用途と適した人
DWARFLAB DRACO 90 mm 約340 mm(特許値) あり(TEC) あり(センサー回転) 約25万 ~ 30万円 本格的な星雲・銀河の撮影を手軽に行いたい人
DWARFLAB DWARF 3 35 mm 150 mm なし なし(短時間積算) 約7.9万円 昼の野鳥観察や手軽な星空撮影を楽しみたい人
ZWO Seestar S50 50 mm 250 mm なし なし(短時間積算) 約8.5万円 初めての天体観測を手頃な価格で始めたい人
UNISTELLAR ODYSSEY 85 mm 320 mm なし なし(短時間積算) 約40万 ~ 50万円 接眼レンズを覗くような観望体験を重視する人

小型でお手頃な入門機と比べると、DRACOは価格もサイズも上がることは避けられませんが、口径90mmの圧倒的な集光力をはじめ、冷却CMOSや写野回転補正、ガイドスコープを内蔵している点が大きく異なります。特に惑星等の小さな天体を撮影したいユーザーにとっては、最良の選択肢となるでしょうね。

中央遮蔽による光量損失と動的フラット補正の課題

公開されている外観画像や特許資料から、DRACOの光学系には中央に副鏡が存在することが確認できます。屈折望遠鏡と違い中央に遮蔽物があるため、光を集める有効面積は純粋な90mm屈折レンズよりわずかに目減りします。また、星の周りに生じる回折の出方など、実際の写り具合は実機での検証を待つ必要があります。

もうひとつの注意点は、センサーだけが回転する構造に伴う画像処理の難しさです。望遠鏡の筒全体ではなくセンサーのみが回るため、画面四隅の減光の仕方やホコリの影の位置が、回転角度によって変わってしまいます。内部ソフトウェアがこの変化をきれいに補正(フラット補正)してくれるのかどうかは、画質に直結する重要な確認項目です。

また、DRACOには、センサーを回転させる小型モーターや冷却ファンなど、常に動き続ける精密な可動部が組み込まれています。これらが真冬のマイナス10度や夏の湿気の中で何年も動き続けられるのかという耐久性は、実際に長期間使ってみないと分かりません。

また、精密機器である以上、初期不良や故障時のメーカー対応、日本国内の代理店によるサポート体制がどの程度整っているかも、購入時の安心感を左右する要素になります。

中国特許公報のリンク

DWARFLAB DRACOの光学系設計に関連すると報告されている中国特許公報のリンクは以下の通りです。

Google Patents(CN121679866A) Patsnap Eureka(CN121679866A)

公報に記載されている基本データは以下の通りです。

項目 内容
特許公開番号 CN121679866A
発明の名称 Optical system and optical lens(光学系统及光学镜头)
出願人 Xiaophoton (Wuhan) Technology Co., Ltd.(武汉小光科技有限公司)
発明者 李宁、胡庆磊 ほか
出願日 2026年2月2日
公開日 2026年3月17日
国際特許分類(IPC) G02B13/00

本公報は反射系とレンズ群を組み合わせた折り返し光学系(カタディオプトリック系)に関する発明です。公報内の実施例に記載されている具体的な光学パラメーターは以下の通りです。

実施例 有効口径(相当値) 焦点距離 F値 光学全長
実施例1 約90 mm(外径98 mm) 339.92 mm F3.78 145 mm
実施例2 約90 mm(外径97.8 mm) 350.00 mm F3.89 143.89 mm

出願人のXiaophotonはDWARFLABの研究開発拠点と報じられていますが、公報本文内にDWARFLABやDRACOの製品名は直接記載されていません。DRACOの実機にこの特許の設計がそのまま採用されているかについては、メーカーによる公式スペック公開を待つ必要があります。

購入検討のポイント

DWARFLAB DRACOは、スマート望遠鏡の手軽な操作感はそのままに、従来の小型機では難しかった惑星等の小さな天体写真を撮りたい人にとって、納得のいく機材になるのではないでしょうか。

また、重い赤道儀や配線のセッティングから解放されたい天体写真ファンのサブ機としても相性が良いはずです。

一方で、天体観測を始めたばかりで10万円以上の予算をかけるのが難しい人や、散歩や旅行の荷物に放り込んで手軽に使いたい人には、サイズや運用の重さが負担になるかもしれません。そうした用途であれば、まずはDWARF 3やSeestar SS0 Proのような小型機を選んだほうが気負わずに楽しめます。

正式な価格や日本国内での発売時期の案内を待ちつつ、ご自身の撮影スタイルや置き場所の環境と照らし合わせながら検討を進めてみてください。

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