SeeStar S50の専用アプリでビデオスタックを行い、高画質な惑星の天体写真を作成する方法について解説します。
ビデオスタックとは
ビデオスタックとは、動画の各フレームから画質の良いものを選び出し、位置を揃えて重ね合わせることで、ノイズを除去し、細部を強調する技術です。天体写真の場合、大気の揺らぎ(シーイング)によるブレを平均化できるため、月のクレーターや木星の縞模様をくっきり写すことができます。
ライブスタックとの違いを整理すると以下のとおりです。
項目 | ライブスタック | ビデオスタック |
---|---|---|
特徴 | 星雲・銀河などの淡い対象に向いている | 月のクレーターや木星の縞模様など、惑星の細部をくっきり描写するのに向いている |
撮影形式 | 静止画(短時間露光を連続撮影) | 動画(数千〜数万フレーム) |
処理タイミング | 撮影中にリアルタイムでスタック | 撮影後にスタック処理 |
ノイズ除去 | 撮影中に平均化 | 高品質フレームを選別して除去 |
解説動画
RAWモードで動画を撮影して保存
SeeStar S50で撮影したデータをビデオスタックするには、RAWモードで動画を撮影する必要があります。
① 惑星を自動導入した後、RAWモードをオンにします。
② 動画を撮影します。(動画データはSeeStar本体に保存されます)
※ 1分の動画だと、次に紹介するビデオスタックの処理が10分くらい掛かります。
ビデオスタックのやり方
① SeeStarアプリを起動し、「Myアルバム」から本体内のRAW動画を選択します。
② サムネイル左上に「RAW」マークがある動画を開くと、上部に「スタック」ボタンが表示されます。ボタンを押すと自動でビデオスタック処理が始まります。(100%になるまでしばらく掛かるので待ちましょう)
③ スタック後の画像はライブスタックと同様、画像編集が可能です。(明るさ・コントラスト・彩度・ノイズ除去など)
【作例】ビデオスタックで作成した月の天体写真
SeeStar S50でビデオスタックして作成した月の天体写真です。
1枚目:惑星撮影中に撮影ボタンを押して保存した写真
2枚目:8秒の動画からビデオスタックで生成した写真
3枚目:60秒の動画からビデオスタックで生成した写真
参考ページ
SeeStar S50の様々な使い方については以下ページで解説しています。

SeeStar S50の初期設定については以下ページで解説しています。

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