SeeStar S50で馬頭星雲(IC434)と燃える木星雲(NGC2024)を撮影した結果についてまとめました。
馬頭星雲と燃える木星雲
- 馬頭星雲(IC434)
- その名前の通り、馬の頭に似た形で有名な暗黒星雲です(上写真の右下)。
- 1888年にハーバード大学天文台の写真観測によって初めて発見されました。
- 赤い領域は散光星雲(IC434)です。赤い散光星雲(IC434)の手前にある巨大な暗黒星雲の一部が被って馬の頭の形に見えています(つまり、馬の頭はIC434自身の形状ではない)。
- 散光星雲(IC434)は、暗黒星雲の背景にある水素ガスが近くにあるオリオン座σ星からの紫外線を受けて電離して赤く輝いております。
- 燃える木星雲(NGC2024)
- その名前の通り、木が燃えているような形で有名な暗黒星雲です(上写真の左上)。
- アメリカではFrame Nebula(炎星雲)と呼ばれています。
- アルタニク
- 燃える木星雲の右にある大きな星です。
- オリオン座の恒星で三つ星 (オリオンの帯) を形成する恒星の1つ。
馬頭星雲と燃える木星雲はオリオン座の中心部(三ッ星の一番東(左)の星)にあります。
隣接し合うため、上写真のように「馬頭星雲」と「燃える木星雲」をセットで撮影するのが定番です。
冬の12月~2月にかけて、夜空が澄んでいる時期が観察に最適です。オリオン座は南の空に高く昇り、観察しやすい位置にあります(stellarium web版などで簡単に位置を確認できます)。
ちなみに、馬頭星雲や燃える木星雲のすぐ近くにあるオリオン大星雲は、肉眼でもぼんやりとした雲のように見ることができ、双眼鏡や小型の望遠鏡を使うと、その美しい構造がよりはっきりと見えます。
動画解説版
本ページの内容は以下動画でも解説しています。
SeeStar S50での撮影結果
光害地からSeeStar S50で馬頭星雲と燃える木星雲をライブスタックした結果は以下のとおりです。
- 光害カットフィルター
- Seestar S50では、「光害カットフィルター」と「UV/IRカットフィルター」のいずれかをフィルタを通してライブスタック撮影します。選択し、撮影します。ダークフィルターの3つのフィルターが内蔵されています。基本的には、星雲を撮影する際は「光害カットフィルター」、銀河や星団を撮影する際は「UV/IRカットフィルター」を使うのがおすすめです。
- フレーミング機能
- 通常の視野の縦横2倍、面積で最大4倍の範囲まで撮影できる機能です。
- SeeStarの通常の視野だと、馬頭星雲と燃える木星雲が収まりきらない画角もありますが、フレーミング機能を使えば収めることができるようになります。
- AIノイズ除去機能
- 強力なノイズ除去に加え、明るさ・コントラスト・彩度を調整できます。
- フレーミング機能を使うと、周囲のノイズが多くなりますが、「AIノイズ除去」と組み合わせることでその弱点を克服できるようになりました。
- Googleフォトで仕上げ
- AIノイズ除去で調整しきれない画像処理は、Googleフォトならば簡単にできます。
- Googleフォトで写真を開き、例えば。ポップの値を大きくしてやると、星雲の輪郭部分が鮮明になり、シャープな仕上がりとなります。
以下は光害地にて、フレーミング機能で撮影範囲を少し広げて撮影した結果です。
ライブスタック撮影時間は64分(実際は2時間くらい掛かっています)です。
AIノイズ除去機能で背景ノイズを除去し、Googleフォトでコントラスト、彩度、ポップの値を上げて調整しています。
参考ページ
「光害カットフィルター」と「UV/IRカットフィルター」の使い方については、以下ページで解説しています。
フレーミング機能の使い方については、以下ページで解説しています。
AIノイズ除去機能の使い方は以下で解説しています。
Googleフォトを使った天体写真の画像加工については以下ページで詳しく解説しています。
SeeStar S50の様々な使い方については以下ページで解説しています。
SeeStar S50の初期設定については以下ページで解説しています。
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