SeeStar S50が購入してレビュー(review)した結果、コスパ最強のスマート望遠鏡であることが判明しましたので、解説します。
Seestar S50の特徴
本ページの内容は以下動画でも解説しています。
Seestar S50は、ZWO社が販売しているスマート望遠鏡です。
近年、各社がスマート望遠鏡を出していますが、2024年2月現在ではコスパ最強だと思います。
天体の電視観望に必要な装置(望遠鏡、電動フォーカサー、天体カメラ、ASIAIR、経緯台、ヒーター、光害カットフィルターなど)がコンパクトかつ軽量(本体重量は約3kg)な本体と一体化しており、「Seestar S50 1台」と「スマートフォンもしくはタブレット」があれば天体観測ができます。
Seestar S50を2023年11月に購入して使い始めてから、以下の優れた特徴があることがわかりました。
主な特徴
- 準備作業がとにかく楽
- Seestar S50は組み立てて水平(傾斜3度以内)に置いて、専用アプリで観察したい天体を選ぶだけ。後はSeestar S50が自動で目標の天体を捉えてくれます(準備時間は数分)。
- 【写真1】のように、箱から取り出して簡単に組み立てできます。
- 一方、電視観望装置を自作した場合、真北に向けて水平に置いた後、ピント合わせ、アライメント作業(明るい2つの星を手動で導入)、画像補正等を行う必要があり、慣れていても15〜30分程度かかります(具体的にどんな感じかは以下のページをご参考ください)。
- 撮影作業がとにかく楽
- 【動画1】は、Seestar S50本体を三脚で設置したあと、アプリでオリオン大星雲を自動導入しライブスタック撮影している様子です。淡々とアプリを操作しているだけで簡単に撮影していることがわかると思います。
- Seestar S50の場合、ピント合わせは専用アプリでボタン1つ(オートフォーカス:AF)です。
- ライブスタックも、ボタン1つでスマートフォンのカメラアプリと同じような感覚の操作できてしまいます(良くも悪くも細かい調整はできないため、中上級者にとっては手が届かないかゆい場面もあると思います)。
- 一方、電視観望装置を自作した場合、観測対象の天体や周囲の状況に合わせてピント合わせや画像調整用のパラメータを設定する必要があります(中上級者やカメラに詳しくない人は結構勉強しないと大変)。
- 光害地でも結構撮れる
- 【写真2】は光害地(都市部)からSeestar S50を用いて撮影した天体写真(画像処理なし)です。
- 光害カットフィルターも内蔵(ON・OFF切替え可能)されているため、光害地でも明るい星雲や銀河は10分前後の露光時間でも捉えることができます。
- コスパ最強
- お値段は2023年11月現在で約8万円と、コスパも素晴らしいです。
- Seestar S50と同等のスマート望遠鏡をパーツ一式揃えて自作しても8万円以上は掛かるでしょう。例えば、初心者向けで人気な電視観望セット(ACUTER OPTICSトラバース + AskarFMA180セット + PlayerOneなど)でも10万円以上します。
- 物理的な拡張性は低い
- *Seestar S50は装置が一体化してしまっているため、物理的な拡張(鏡筒や天体カメラの変更等)ができません。
- 電視観望装置を自作した場合、物理的な拡張(鏡筒や天体カメラの変更)ができます。ただし、物理的な拡張(装置の購入)にハマるとお金がどんどん消えていくので、Seestar S50は経済的とも言えます。また、機器同士の相性の問題もあるため、ある程度の知識や慣れがないと「拡張したくて〇〇を購入してみたけど、なぜかうまく映らない・・・」といったトラブルもあります。
スマート望遠鏡(SeeStar S50)で撮影するのと、電視観望装置を自作して撮影するのとでは、「技術的なハードルに雲泥の差」があります。
私も両方試しましたが、スマート望遠鏡ならば「近所の公園で鳩を撮影してくる感覚で星雲や銀河を撮影」できます。
一方、電視観望装置を自作した場合、富士山の樹海を果てしなく彷徨うような大変さがあります(私はなんとか月を撮影するのが限界で挫折しました^^;)。
今は自宅のベランダにスマート望遠鏡(SeeStar S50)を置き、エアコンの効いた室内で寝そべりながらスマホから遠隔操作しているので快適で楽しいです。
【写真1】組立ての様子
【動画1】オリオン大星雲撮影の様子
SeeStarを水平に設置してスマホとWifi接続したら、以下のようにアプリで観たい天体を選択すると、以下のようにSeeStarが勝手に動いて自動導入します。
【自動導入〜ライブスタックの様子】
【写真2】撮影例
惑星モードで土星や木星などを観察した結果を以下ページで紹介しています。
結論から言うと、光害地からでも土星の輪っかと木星の縞模様を観察することができました。
SeeStar S50の仕様
SeeStar S50の仕様は以下のとおり。
仕様 | 概要 |
---|---|
口径 | 50mm |
口径比 | F4.9 |
焦点距離 | 246mm |
イメージセンサー | IMX462 (カラーCMOS) |
センサーサイズ | 1/2.8″ |
解像度 | 1080×1920 |
ピクセルサイズ | 2.9×2.9μm |
A/Dコンバーター | 12bit |
画角 | 約0.7°×1.3°(縦長に撮影される)※1ピクセルあたり約2.4秒角 |
架台 | 経緯台式 |
制御 | Androidアプリ、iOSアプリ(スマホで制御) |
関連ページ
SeeStar S50の様々な使い方については以下ページで解説しています。
SeeStar S50の初期設定については以下ページで解説しています。
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