SeeStar S50で土星の輪「惑星モード」で観察した結果について紹介します。
土星の観察
※光害地の都会から、約8万円のスマート望遠鏡「SeeStar S50」で撮影した土星の輪
スマート望遠鏡「SeeStar S50」では、「惑星モード」を使うことで、光害地からでも上写真のような土星の形と輪を捉えることができます。(模様は難しい)撮影した結果です。
土星を自動導入する手順
① アプリを開き、「太陽系」 → 「Saturn(土星)」 → 「観察する(Go to)」を選択します。
② 土星を導入すると、望遠鏡が自動で追尾してくれます。
月を自動導入する手順
① アプリを開き、「太陽系」 → 「Moon(月)」 → 「観察する(Go to)」を選択します。
② 月を導入すると、「月が中心にありますか?」というポップアップ画面が表示されたら「はい」をタップします。
③ 望遠鏡が自動で追尾してくれます。
撮影画面の使い方
① 自動導入が完了すると、撮影画面が開きます。撮影画面に備わっている基本的な調整機能は以下のとおりです。
項目 | 説明 |
---|---|
天体ロック機能 | 天体を画面の中央に固定し、追尾し続ける機能。観察中に天体がずれないようにする。 |
明るさ調整 | 下部に調整バーがあります。このバーを左右にスライドすることで、「露光時間」と「ゲイン」を一括調整できます。より細かく手動で調整したい場合は、「詳細設定」アイコン(歯車マーク)をタップします。すると、手動で「露光時間」と「ゲイン(感度)」を設定できます。 |
露光時間 | 天体の明るさに応じて、白飛びを防ぎ細部を描写する(1ms〜数秒まで調整可能) |
ゲイン | 感度を調整して、暗部のディテールを強調する(高すぎるとノイズが増えるので注意) |
AF(オートフォーカス) | 自動でピントを合わせる機能。 |
デジタルズーム | 拡大表示(1x, 2x, 4x)をタップすると、デジタルズームにより、1倍、2倍、4倍に切り替えできます。 |
② 土星を撮影するときの「露光時間」と「ゲイン」目安は以下のとおりです。
項目 | 推奨値・調整方法 | 補足 |
---|---|---|
露光時間 | 約 10〜50ミリ秒(0.01〜0.05秒) | 長すぎるとブレや光害の影響が出やすい |
ゲイン | 50〜80程度(中〜高感度) | 土星の輪を捉えるにはやや高めが有効 |
③ 撮影モードは「写真」「タイムラプス」「ビデオ」の3つがあり、スマホのカメラアプリのように下部メニューで切り替えできます。
撮影モード | 説明 |
---|---|
写真 | 静止画撮影。 |
タイムラプス | 一定間隔で連続撮影し、時間の流れを圧縮して動画化。 |
ビデオ | 動画撮影。通常はMP4形式で保存されるが、Rawモードでの撮影も可能。(ビデオスタック機能を使うにはRawモードにする必要がある) |

ビデオスタックの使い方
ビデオスタックとは、動画の各フレームから画質の良いものを選び出し、位置を揃えて重ね合わせることで、ノイズを除去し、細部を強調する技術です。天体写真の場合、大気の揺らぎ(シーイング)によるブレを平均化できるため、月のクレーターや木星の縞模様をくっきり写すことができます。
① 惑星を自動導入した後、RAWモードをオンにします。
② 動画を撮影します。(動画データはSeeStar本体に保存されます)
※ 1分の動画だと、次に紹介するビデオスタックの処理が10分くらい掛かります。
③ SeeStarアプリを起動し、「Myアルバム」から本体内のRAW動画を選択します。
④ サムネイル左上に「RAW」マークがある動画を開くと、上部に「スタック」ボタンが表示されます。ボタンを押すと自動でビデオスタック処理が始まります。(100%になるまでしばらく掛かるので待ちましょう)
⑤ スタック後の画像はライブスタックと同様、画像編集が可能です。(明るさ・コントラスト・彩度・ノイズ除去など)

撮影結果(2025年8月)
以下の写真は、2025年8月に光害地の都会から、約8万円のスマート望遠鏡「SeeStar S50」で撮影した土星です。左がビデオスタックなし、右がビデオスタックありです。
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ビデオスタックをしても土星の模様までは観察できませんが、輪郭がくっきりしました。
関連ページ(SeeStarについてもっと知りたい人向け)
SeeStar S50の基本的な使い方や、他の天体を撮影した結果は以下ページにまとめています。

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